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ライントピックスをスタートさせるとき、ヤフーニュースの担当者に「見出しの使い方やリンクの方法ほどのようにすればいいのでしょうか」という問い合わせをしている。
それに対して担当者の答は「見出しは改変せず、そのまま使うのがベストです」というものだった。
「最初から万全の態勢を取り、ヤフーにも連絡して慎重に対処してきた」というのである。
ところが途中からヤフーの対応が豹変し、「ライントピックスは、コンテンツの商用目的での利用を禁じたヤフーの利用規約に反している」という内容証明郵便を送付してくる事態となった。
しかしDA社側が「でほどうリンクを張ればいいのか」とメールで問い返しても、回答はなかったという。
そして一年半後になって、読売新聞が何の予告もなく、突象が蟻を踏みつけるヤフージャパン広報部は当時、「内容証明を送付した際、原著作者である読売新聞東京でどんな調整があったのか」は結局、明らかにされないままだった。
人に満たないし、ライントピックスのサービスも順調に利用者が増えていたとはいえ、社会に与える影響はごくわずかなものだった。
天下の大読売が提訴するというのは、まるで象が蟻を踏みつけようとするようなものだ。
いったいなぜわざわざ提訴に踏み切ったのだろうか。
当時筆者が取材した読売新聞の関係者は、実は次のように打ち明けていた。
「提訴は、グーグルニュースへの牽制が本当の狙いだった。
グーグルニュースが近々日本に上陸してくるという噂も流れており、そうなったら各社はたいへんな打撃を受ける。
まずはDA社との裁判に勝つことで判例を作りたいと考えた」読売新聞はまずDA社との裁判で、「見出しには著作権がある」という判例を作り、そしてグーグルニュースが上陸してきたら、その判例をたてに自社記事の見出しを使わせないようにする。
そういう戦術を立てていたというのである。
グーグルニュースは提訴の一年半あまり後、二〇〇四年九月に日本語版がスタートした。
いる。
裁判はこの間、二〇〇四年三月に東京地裁の一審判決が出て、「見出しは記事ではない」と認定された。
読売新聞の敗訴だったのである。
グーブルニュース日本語版のサービス開始はこの敗訴のちょうど半年後。
タイングを計っていたとしか患えないスケジュールだった。
そして読売新聞は予想通り、グーグルニュース日本語版への記事の提供を拒否した。
毎されることになったのである。
知財高裁での勝訴ところが話はこれで終わりにはならなかった。
読売新聞をはじめとする「反グーグルニュース」陣営はその後、徐々にグーグルニュースの軍門に下り、記事を提供するようになったのである。
それまで拒否していた全国紙三紙が記事を提供するようになるまで、わずか三か月しかかからなかった。
日本ではグーグルの力はまだ比較的弱く、読売新聞や毎日新聞などから有償で記事提供を受けているヤフーニュースの方が、圧倒的なアクセス数をたたき出している。
いまもその状況はあまり変わらず、日本国内でのグーグルニュースの存在感は比較的低いままだが、それでも大手新聞社各紙は、グーグルに協力する道を選んだ。
事情を知る毎日新聞の関係者は、「グーグル側から記事見出しへの著作権料支払いの申し出があり、その結果として記事をュースというメディアのパワーを知り、無視するわけにはいかなくなったというのが正しい。
全国紙の幹部の間でも、グーグルをはじめとするインターネット勢力の重要性に対する認識がようやく広がってきたということだったのだろう」と述懐している。
読売新聞はDA社との裁判をその後も続け、二〇〇五年十月には知財高裁で勝訴している。
知財高裁は「記事の見出しには著作権はないが、DA社は不法行為で利益を得ている」として二十三万円あまりの損害賠償支払いを命じたのである。
しかしこの判決を背景に、読売新聞がグーブルに対してあらたな強い姿勢に出たという話は今のところない。
結局のところ読売新聞も、インターネットの持つパワーを受け入れざるをえなかったということなのだろうか。
一方、地方紙やローカルテレビ局などの問では、グーグルニュースに対して最初からかなり違う評価を持っていた。
グーグルニュースによってホームページへのアクセス数が増え、世間での認知度が高まるという相乗効果が期待できたからだ。
グーグルニュース日本語版の使われ方を見ても、それは明らかだ。
通常、東京に住んでいるインターネット利用者であれば、新聞の記事をネットで読む際には従来は朝日新聞や新報などの地方紙のホームページは、ほとんど念頭にないと言ってよかった。
ところがグーグルニュースには、こうした地方紙の記事の見出しが大量に表示されている。
これによって東京の読者は、地方紙にも興味深いニュースがたくさんあり、独自の論これはグーグルニュース英語版に関しても、同じことが言えた。
アメリカやイギリスを中心とした英語圏の読者は、アメリカやイギリスの著名な新聞社、アフリカ、アジア、南米までいたるところに英字紙は存在し、それらのホームページは英語で記事を提供しているのである。
そうした記事には英米の考え方とは違う論理、違う哲学がある。
しかしこれまではそうした新聞社ほどこまでもマイナーであり、イギリスやアメリカの読者の目に触れる機会は、とても少なかったのだ。
しかしそうした辺境の新聞社の記事も、いまやグーグルニュースによって全世界の読者に読んでもらうことができるようになった。
何十万、何百万も読者がいるような強力な媒体を持っていなくても、グーグルニュースに乗っかっているだけで、多くの読者を得ることができるようになったのである。
これは大きな転換だった。
辺境のマイナー新聞にとってはポジティブな転換であるし、逆に今まで世界の中央にいたはずの大手紙にとっては、ネガティブな転換となる。
それはつまり、「情報のハブ(中心地)」が轟々と音を立て、別の場所へと軸を移していくという意味である。
情報のハブを握っているのはこれまでは、アメリカの三大テレビネットワークやCNN、ワシントンポスト紙、ニューヨークタイムズ紙といった一部の大手マスコミだった。
マスコミの側は自由にところがグーグルニュースが発達していけば、今後そのハブを握るのはグーグルとなる。
グーグルの計算式(アルゴリズム)が情報のハブとなり、情報の空間を支配する司祭となっていくのである。
これは大きな変革ではないか。
新聞業界団体の異議これに対してマスコミの側からの抵抗も強まっている。
二〇〇五年には、フランス系大手通信社のAFPが、「グーグルニュースがAFPの写真、ニュースの見出し、記事を許可なく掲載している」とアメリカの裁判所に提訴した。
また二〇〇六年に入ってからは、各国の新聞業界団体が加盟する世界新聞協会(WA異議を唱え始めた。
WANの幹部はロイター通信の記事で、「検索エンジンはコンテンツへの対価を払うことなく、われわれの業界をもとに新たなメディアを構築している」とコメントしている。
新聞は長く、販売収入と紙面広告の収入で生計を立ててきた。
ところが広告の中心はいまや新聞や雑誌からインターネットへと雪崩を打って移行し始めており、従来のような新ネット上で利益を上げようとしている。
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